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発達障害と汚部屋、ゴミ屋敷の関係…
気付いたら部屋が… どうしたらいいのか分からない… 努力しているのに… 片付けが出来ない…
片付けられないのは、もしかしたら… 発達障害が関係しているかもしれません。
そこで今回この記事では、発達障害と汚部屋の関係… など関連を紹介していきます。
発達障害とは…
発達障害とは、生まれつきの脳の機能発達の偏りを理由として、生活に支障をきたしている状態の事を言います。
よく知られている発達障害としては
・ADHD(注意欠如、多動性障害)
・ASD(自閉症スペクトラム障害)
・LD(学習障害) …など
発達障害のある方は、その障害特性からくる苦手により周囲から叱責されることが多く、だらしない、ちゃんとしていない等と評価されてしまい、自分でも自身の事を責めてしまい、自己肯定感が低くなってしまう事があります。
また、当事者の家族(特に両親)が、自分の育て方が悪かったせいだ… と自分を責めてしまう事もあります。
発達障害は、子供時代の教育や育て方といった後天的な要素によるものではなく、先天的な脳機能の違いによるものであり、周囲からは本人の努力不足と捉えられがちですが、その困難の多くは発達障害の特性が原因にあるのではないかと考えられています。
親の育て方や愛情不足、また本人の努力不足により生じるものではない事をしっかりと理解する必要があります。
ADHDとは…
ADHDは、注意欠如・多動症とも呼ばれています。
主な症状としては
・思いついた事を、よく考えずにしてしまう衝動性
・落ち着きが無く、ソワソワしてしまう多動性
・1つの事を、集中して取り組めない不注意
これらの症状により、日常生活や仕事などで支障をきたしてしまいます。
汚部屋になってしまう理由
【集中して片づける事が苦手】
【片付けを先延ばしにしてしまう】
【物に対する拘りが強い】
ADHDは、集中して取り組む事が苦手で、掃除を始めても片付け中に出てきた漫画や雑誌、思い出の品などを衝動的に見返してしまったり、ネットで買い物を始めたりして掃除が進まなくなります。
また、嫌な事や面倒な事を避けようと先延ばしにしてしまう為、使った物を片付けようとしても、面倒くさがって放置したり、掃除をしなかったりと、物が溜まり続けてしまいます。
更に、特定の物に対する拘りが強く、状態が悪くなっても処分せず使い続ける事が多いです。
周りから見ると明らかに要らない物でも、捨てずに保管してしまい汚部屋→ゴミ屋敷になってしまうのです。
対処法
【捨てる時のルールと物の定位置を決める】
【片付ける時間を作る】
ゴミを溜めてしまわない様に、捨てる時のルールと物の定位置を決めておきましょう。
ADHDの方は、状態が悪くても使い続けたり、嫌な事や面倒ごとを避けてしまいます。
悩まない様に、穴が空いてしまったカバンは捨てる… 1年以上使っていない物は捨てる… などのルールを決めましょう。
そして、物の定位置を決める事で、使った後に戻す場所が分かるので、片付けがしやすくなると思います。
また、片付けをする時間を作り、日頃から物が溜まらない様にしていきましょう。
例えば
休みの日は、片付けをする時間にしたり、帰宅したら片付けを10分間するなど時間を決めておくと、物も溜まらず綺麗な状態を維持出来ると思います。
ASDとは…
アスペルガー症候群(ASD)は、自閉症スペクトラム障害の一種です。
特徴として
・共感性が低い
・拘りが強い
・コミュニケーションが上手では無い
・1つの事にのめり込んでしまう
その為、自分のやり方やペースを維持する傾向が強く、周囲の人達から変わっていると思われがちです。
汚部屋にしてしまう理由
【マルチタスクが苦手で、関心を示さなくなりやすい】 ※マルチタスク_短時間で切り替えながら、複数の作業を行って行く事。
【物に対する拘りが強い】
【優先順位を付ける事が苦手】
アスペルガー症候群の方は、マルチタスクが苦手です。
1つの事には集中して取り組めますが、複数の事を行う事が苦手で、服を脱いだりカバンを置いたりすると、それらに関心がなくなり、そのまま放置してしまう事が多いです。
また、拘りが強く、状態が悪くなっても処分しなかったり、好きな物を複数所持したりします。
更に、優先順位を付ける事が苦手なので、緊急性の低い事を始めてしまう事が多いです。
その為、掃除をしなくてはいけないのに、ゲームをしたり読書を始めたりして掃除が進まず、汚部屋→ゴミ屋敷に繋がっていきます。
対処法
【捨てる時のルールと物の収納場所を決める】
【掃除をルーティン化させる】
ゴミを溜めてしまわない様に、捨てる時のルールと物の収納場所を決めておきましょう。
アスペルガー症候群の方は、複雑な事になるとパニックを起こしやすいです。
その為、複雑に考えてしまわない様に、壊れている物は捨てる… 1年以上使っていない物は捨てる… などのルールを決めていきましょう。
そして、収納場所を決める事で、片付ける場所を悩まなくて良くなると思います。
片付ける場所に、ラベルなど目印になるものを貼っておくと収納が簡単に出来る様になる為、パニックを起こしにくくなると思います。
また、アスペルガー症候群の方は、行動がルーティン化しやすい傾向があります。
その為、掃除をルーティンに組み込む事が出来ると、片付いている状態を維持できるようになります。
汚部屋化させない2つの方法
①掃除のヘルパー
②孤立させない
解説
①掃除のヘルパー
発達障害を患っていて、汚部屋化化しやすい人は、掃除ヘルパーを呼ぶ事で、部屋を綺麗に保ちやすくなると思います。
発達障害の方は、コロナ感染対策の為に外ではゴム手袋を付けるなど、潔癖症な一面もあります。
元々持っている潔癖な性格から、掃除専門家のヘルパーの助言は聞き入れやすい傾向があります。
ヘルパーの方は「要るものと要らないものを分別しましょうね」などとアドバイスをしてくれます。
定期的にヘルパーが、部屋に入ってアドバイスをしてくれる事で、発達障害者は片づけを進めやすくなると思います。
また、よく知っている身内に指摘されると、発達障害者は羞恥心が湧いてきたり、腹立たしさを覚えてしまう事があるので注意して下さい。
②孤立させない
発達障害者は、孤立する事で汚部屋を悪化させてしまう事があります。
元々決まり事やルールを守る事が苦手な発達障害者です。
他人の目に触れない生活をしていると、どうしても気が緩んでしまい、より一層堕落した生活になってしまいます。
なので、友人や知人などとの人付き合いを深める事が大切です。
家族や親族との繋がりを大事にして、定期的に交流を持つようにして下さい。
完璧な人はいないので、誰かと補い合って生きていく必要があります。
発達障害を患っていて、片づけが苦手だと感じる場合は、短所を埋めてくれる人を探してみるのも1つの方法です。
1人暮らしへのハードル
障害特性が、ハードルになると考えられます。
①先延ばし癖
②注意の転導
③順序の悪さ
解説
①先延ばし癖
発達障害のある方、特にADHD(注意欠如・多動性障害)のある方に多いのが、先延ばしです。
先延ばしとは_したくない事から一時しのぎに逃れる、回避行動の事を言います。
その場しのぎに過ぎない為、その場はなんとか回避する事が出来ても、長期的には問題悪化・深刻化してしまいます。
例えば
・片付けなどを後回しにして、部屋がどんどん汚くなってしまう
・食器を洗う事を先延ばしにしていて、雑菌が繁殖してしまう
・洗濯物を溜め込んで、明日着る服が無くなる
・ゴミ捨てを怠った為に、悪臭や虫が湧いたりする
・水道、ガスの料金支払いを先延ばしにして、止められてしまう
この先延ばしの背景には、報酬系機能という脳機能が関係しているのではないか… と考えられています。
発達障害、特にADHDのある方は、この報酬系機能の働きが弱い為に、目先のすぐに得られる快楽を優先し、将来的な報酬の為の忍耐を忌避してしまう傾向があります。
※報酬系機能_満足感、達成感を司る神経系。 目の前の報酬に飛びつき、長期的な報酬を求めての行動が出来ない。
例えば
ガス料金や水道料金の請求用紙を確認する事や、その支払いを後回しにして、目の前の快楽(ゲームや友人との予定など)を優先してしまい、結果として水道・ガスが止まる等の不利益を招いてしまうのです。
同じ様に、片付けや掃除、洗濯についても後回しにしてしまい、汚部屋状態になってしまう… という事がよくあります。
②注意の転導
注意から逸れやすい事から、やりっぱなしになりやすい事も挙げられます。
例えば
外出先から帰ってきた時に、コートを脱いで、脱ぎっぱなしにしてしまったり… コートを脱いだ瞬間、おそらく次の動作に注意が向いてしまっていたのだと思います。
手を洗わなきゃ… だったり、もしかしたらものすごく疲れていて、とりあえずベッドにダイブしたい… という気持ちだったのかもしれません。
このように、発達障害のある方は、何か1つの事を終えた後、その作業を完遂しないまま次の行動に注意が向いてしまい、結果としてやりっぱなしになってしまう事が多々あります。
本人としては、その前にやっていた事はもう意識の外に追いやられてしまっているので、やりっぱなしになっている自覚はなく、指摘されて始めてハッと気づく方が殆どです。
③順序の悪さ
実行機能という脳機能の弱さにより、どこから手を付けて、どのように片づけていいのかの見通しが立てにくいことも、部屋が片付かない理由の1つです。
※実行機能とは…
目標に向かって計画を立て、その計画を実行に移す為に気持ちや行動を制御・調整する脳機能の事。
ここで言う目標とは、将来の夢などの遠大な目標ではなく、日常で行う全ての行動を指しています。(お風呂に入る、片付けをする、食事を作る …など)
この実行機能の弱さにより、まずどこから手を付け… 何をどこにしまうか…? という計画が頭の中で立てにくい事が、どうしていいか分からない、と困ってしまう原因の1つです。
その為、片づけないといけない事は分かっているけれど、何をどうしていいか分からず、途方に暮れてしまう事があります。
汚部屋回避術
①片付ける場所を…
②とりあえず…
③何かしながら…
解説
①片付ける場所を…
今日片づける場所は、ココと予め決めてしまいましょう。
例えば
水周りだけ… 本棚だけ… 洗面所だけ… と決めてしまって、そこだけを綺麗にする事に集中すると、どこから手を付けていいんだ…? と途方に暮れる事がありません。
ぐちゃぐちゃの部屋の中を見ると、あそこも片づけないと… ここも汚い… と気になってしまうかもしれませんが、その日に決めた所だけにまずは集中する、という事が大切だと思います。
片づけると決めた場所が、綺麗になると、達成感から他の所にも手を付けるエネルギーが湧いてくるかもしれません。
②とりあえず…
片付けをしている最中、しまう場所をどこにするかで悩んで、片付ける手が止まってしまった、なんて事はないでしょうか?
そういう時に、サッと物を入れられる、とりあえず箱を作っておきましょう。
こうする事で、片づける手を止める事なく進められ、片付けが一段落した段階で、ゆっくりと、とりあえず箱の中の物のしまい方について考える事ができます。
③何かしながら…
片付けや掃除には、単純作業の側面がたくさんあります。
皿洗いや洗濯物干しなどは、ただ手を動かす作業なので、人によっては退屈、面倒と感じられるかもしれません。
逆に言えば、機械的に手を動かせば解決するタスクである、とも言える為、好きな動画を見ながら皿を洗ったり、友達と楽しく会話しながら片付けをすると、もしかしたら今まで嫌だった片付け作業にも手を付けられるかもしれません。
今すぐ片付けたいなら…
片付けたいけど、自分だけでは無理… いったん部屋をリセットしたい… という時には不用品回収業者、専門業者がおすすめです。
1人暮らしの部屋なら、半日から1日で要らない物を処分してくれて、部屋がスッキリすると思います。