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高齢者が汚部屋にしてしまう理由は??
ゴミ屋敷… 汚部屋… と聞いて、イメージする年齢は、ありますか?
意外にも!?若年層の方も増えてきていますが、やはり高齢者の方のイメージは、根強いです。
そこで今回この記事では、高齢者が汚部屋にしてしまう理由など関連を紹介していきます。
理由7選
①環境
②衰え
③相手が先に…
④子や孫に…
⑤認知症
⑥セルフネグレクト
⑦溜め込み症
解説
①環境
日本が今のように豊かになったのは、高度経済成長を迎えた1970年代です。
それ以前、特に戦前戦後の日本は、今のように豊かではありませんでした。
高齢者の定義は、65歳以上の人です。 また75歳を超えた人の事を、後期高齢者と言います。
1940年頃に生まれた方は、現在80歳代の後期高齢者です。
戦前戦後の貧しかった時代に、幼少期を過ごした方には、勿体ない精神が根付いており、それが汚部屋化の原因の1つとなっています。
もう使わないモノや壊れてしまった物を捨てられず、汚部屋化してしまうのです。
何かものを捨てようとした際に、祖父母や親に、まだ使えるでしょ。残しておきなさい。私の時代は… と言われた経験がある方も多いのではないでしょうか。
幼少期に買いたいものを買えない環境で育った高齢者には、捨てる事=悪い事といった認識が染み付いています。
②衰え
綺麗な部屋を少し掃除する程度であれば、体力も気力もそれほど使いません。
しかし、汚部屋化してしまった部屋を掃除する際は、体力も気力も必要です。
年齢と共に、体力や気力は低下していきます。
高齢者の方の中には、部屋が汚部屋化しているという認識はあっても、体力や気力の問題で片付けられない方もいます。
例えば
粗大ゴミの搬出は、体力的に高齢者一人では難しいです。
また足腰が弱っている場合は、二階に上がる事が出来ず、片付けをしようにも二階には一切手をつけられないかもしれません。
高齢者が無理をして汚部屋の片付けを行うと、最悪の場合は骨折などの怪我に繋がってしまいます。
そして、自力では無理だから… と行政や業者に連絡しようにも、気力的や金銭的な問題から難しかったりします。
我々が、自力で汚部屋を片付けるのと、高齢者が自力で汚部屋を片付けるのとでは、負担が異なります。
③相手が先に…
現在は、共働きが当たり前になっています。
共働きでなくても、掃除などの家事を夫婦で分担して行う事は珍しくありません。
しかし高齢者世代では、夫が仕事をして妻が専業主婦として、自宅の掃除片付けを行うといった形が主流でした。
妻に先立たれてしまったり、熟年離婚をしたりした途端に、自宅が汚部屋化してしまう高齢男性は多いです。
これは、妻に片付けを任せ切っていた為に、夫が片付けの方法を全く知らない事が原因です。
妻に料理を任せていた夫が、妻に先立たれてからはインスタント食品やコンビニ弁当のようなものばかり食べるようになるといった話はよく聞きますが、片付けにも同じ事が言えます。
まだ若ければ、これから片付けの方法を学んで、脱汚部屋を目指す事も可能ですが、高齢者ともなると、下手をすると半世紀以上も片付けを任せっきりにしていた方も珍しくなく、これから新たに片付けの方法を学ぶ事は、現実的ではありません。
④子や孫に…
高齢者は、部屋を片付けたいと思っても、体力・気力の面から行動に移す事が難しいです。
よって、子や孫に片付けを手伝ってもらうべきなのですが、迷惑をかけたくないから… という理由で子や孫を頼れない高齢者は多いです。
子や孫が親や祖父母に、何かあったら頼っていいからね… と伝えていても、子育てで忙しそうだから… 私が子の生活を邪魔したら悪いから… と頼れない場合が多いのが現状だと思います。
そうして、子や親を頼れずにいるうちに、汚部屋化がどんどん進行してしまいます。
そして、汚部屋化が進行すればするほど、更に子や孫に頼りにくくなります。
こういった状況を改善する為には、子や孫から積極的に、〇〇日に片付けの手伝いに行くからね… ここの業者にお願いするからね… と片付けの段取りを組む事が大切です。
⑤認知症
認知症は、65歳以上の高齢者に多く見られる病気です。
認知症になると、記憶や判断を始めとする認知機能に影響が出ます。
その結果、捨てていい物と捨ててはいけないモノの区別が出来なくなったり、ゴミ出しの日時や場所が、分からなくなったりしてしまい、自宅が汚部屋になってしまいます。
認知症は、現段階では完治が難しい病気です。
定年退職をして人との交流が無くなったり、高齢者になって社会との繋がりが希薄になったり、妻や夫に先立たれて孤独になったりすると、認知症になるリスクが上がります。
認知症リスクがありそうな場合は、ボランティアなどの社会活動への参加を促したり、子や孫と会う機会を増やしたりして、認知症に対して、抗って下さい。
認知症の高齢者が自力で、汚部屋を片付ける事は難しい為、周りの協力やサポート、業者への依頼が必要だと思います。
⑥セルフネグレクト
ネグレクトは、育児放棄を意味する言葉です。
つまりセルフネグレクトは、自分自身を放棄する事という意味になります。
具体的には、生活環境や栄養状態が悪化しているのに、それを改善しようとせずに放置してしまいます。
セルフネグレクトに陥った方が、食事を取らなくなりそのまま餓死してしまった… という事もありました。
セルフネグレクトに陥った方は、自分の生活スペースが汚れてしまっていても、それを掃除しようとしません。
よって、汚部屋に繋がります。
セルフネグレクトの方は、周りの支援に自ら頼ろうとはしません。
よって、病院の受診を勧めたり、周りの方が積極的にサポート、協力を申し出たりする事が大切になります。
⑦溜め込み症
溜め込み症とは、モノを捨てられない… モノを必要以上に購入してしまう… モノを集めすぎてしまう… といった症状がある行動障害です。
認知症やセルフネグレクトとは異なり、日常生活は不自由なく行えるのが特徴です。
生活ゴミを捨てずに放置してしまうのではなく、雑誌や郵便物、服などがどんどん溜まっていく事で汚部屋化にしてしまいます。
溜め込み症は、高齢者になってから発症するのではなく、20代など若いうちから症状が、少しずつ現れるとされています。
よって溜め込み症の症状が見られる場合には、定期的に自宅を訪れるなどして、片付けを促しましょう。
溜め込み症と同じく、物を溜め込んでしまう症状として、収集癖があります。
しかし、収集癖のある方は集めたものを綺麗にディスプレイするのに対し、溜め込み症の方には、そういった特徴はありません。
汚部屋老人にならない為に…
・小皿(パン皿程度)_4枚 ・中皿_5枚 ・大皿_4枚 ・深皿(スープ、丼)_5枚
・丼_2個 ・コーヒーカップ類_3客分 ・小鉢_3個 ・椀_3個 ・小皿(醤油皿)_3枚
・湯飲み茶碗_1個+3個 ・ご飯茶碗_1個+1個 ・汁椀_1個+1個 ・グラス_1個+2個
一人暮らしなら、手持ちの食器類はこれだけあれば足ります。
本の整理と6つの手順
①本棚のスペースを見直し、新たなスペースを決める
②今ある本を全て出し、総冊数を把握
③①で決めたスペースを測り、収納可能な冊数の目途を付けて、大まかな選別
④今後も増える事を考えて、③を更に7割ぐらいの冊数に絞る
⑤作業中、再読防止と肩、腰、腕を守る為、1日1時間と決めて、日々継続
⑥どの棚に、どの本を置くか?青写真を描きそれに沿い収めていく
家にいる時間が増えた時こそ、整理整頓や不用品の片付けに取り組むチャンスです。
ネットなどで片付けの情報が溢れているので、自分に合った方法、やり方で、進めて下さい。
汚部屋、ゴミ屋敷が招く… 被害!
①火災、転倒、病気
②孤独死へのリスク
③特殊清掃
④近隣へ与える
解説
①火災、転倒、病気
ゴミ屋敷、汚部屋の問題で危険性の高いのが、火災です。
溜まった埃が、コンセントにも被さって引火を起こし火災になってしまうと、ゴミなどがたくさんある家の中では、燃え広がってしまいます。
たとえ、住人が火災に気付いたとしても、足の踏み場もない程のゴミで、逃げ遅れる可能性も高くなります。
また、転倒の問題も高くなります。
平坦な床面でも高齢者は、筋力が弱りバランスを壊して転倒する事も珍しくありません。
更に、足元がゴミで覆われていると、転倒のリスクは格段に増します。
これによって動けなくなる事で、人との付き合いがないとそのまま孤独死へと至ってしまう事も少なくありません。
そして、害虫や悪臭で不衛生極まりない環境は、病気を引き起こしやすくなってしまいます。
食べ物・飲み物の残りからゴキブリやネズミの発生を招き、ゴミで埋もれた環境では、徹底的な退治もできにくいですから、変質したものを食べてしまう事も充分あり得ると思います。
病気になったとしても、自分で病院を受診しようと思わなくなってしまい、さらなる悪化に陥ってしまう訳です。
②孤独死へのリスク
汚部屋、ゴミ屋敷が本格化すると、当たり前の暮らしが維持出来なくなり、孤独死のリスクを高めてしまいます。
特別な環境の人や面倒くさがり屋の人だけが、ゴミ屋敷を作ってしまうと考えられていたのですが、今や超高齢化社会となり、人間関係の希薄さもある事から、孤独死は誰の身にも起こるかもしれない問題です。
ゴミ屋敷の問題は、孤独死とも深い関連がある事から、自治体ではゴミ屋敷条例を制定している所もあります。
誰かが手を差し伸べる事で、汚部屋、ゴミ屋敷になるのを防ぐ事も出来ます。
ただ、残念な事にゴミ屋敷の問題にかかわるのが遅れてしまうと、孤独死という悲惨な結果となってしまうのです。
③特殊清掃
ゴミ屋敷での孤独死は、遺族や知人・友人など周辺へ深い悲しみと後悔の念を感じさせてしまいます。
助けを求めたくても求められなかった高齢者の苦しみを察すると、どれだけ悲惨な状況か胸を引き裂かれる事だと思います。
そんな心境に置かれていても、特殊清掃が必要になるのは確かです。
孤独死してしまった住居を、原状回復する為には、遺品整理業者や特殊清掃業者へ依頼をするしかありません。
・特殊清掃の費用はどのくらいか?
・原状回復の清掃で、オーナーが納得しない場合は?
こうした悩みも、遺族らにはのしかかってきます。
悲しみに暮れるだけでは済まされず、心理的な問題も経済的問題も根深く続きます。
④近隣へ与える影響
ゴミ屋敷によって住人だけではなく、近隣住民への被害も様々とあります。
・悪臭 ・ゴミの散乱 ・害虫の発生 ・火災の懸念
更に、孤独死が起こり発見されるまで日数がかかってしまった場合の心理的なストレスも、近隣住民にとっては小さいとは言えません。
対策
ゴミ屋敷になると、深刻な被害が起きてしまいます。
しかし、ゴミ屋敷を未然に防ぐ為には私たちが出来る対策があります。
親、知人の場合…
親や知人がゴミ屋敷の傾向がある時、どう対応したら良いのか? 対策としては、以下の5つの方法があります。
①親、知人に納得してもらう
②汚部屋、ゴミ屋敷の危険性
③手助けする人がいる事
④1か所片付けて心地良さを
⑤帰省や訪問で
解説
①親、知人に納得してもらう
ゴミの片付けや掃除をする際に、家主である親や知人に納得してもらってから片付けを進めるのが、ポイントです。
例えば
こんなゴミを取っておいてどうするの…? などと言って勝手に捨ててしまったら、相手はどう感じるでしょうか? 他人から見ればゴミに見えても、本人にとっては大事な物かもしれません。
その為、たとえ親といっても子どもは勝手に処分するのではなく、納得をしてもらう為にまずは、相談をしましょう。
お互いが、同じゴールを共有できる事で、片付けは進みやすくなると思います。
②汚部屋、ゴミ屋敷の危険性
ゴミ屋敷が、どれほど危険な状況にあるのかを、親、知人に理解をしてもらいましょう。
特に高齢の親は、環境の変化をあまり好みません。
なぜ?ゴミを処分して片付けをするのか…? の明確な理由の1つに、安全な暮らしをしてもらう事があげられます。
・転倒のリスク
・衛生的な暮らし
危険から親を守る為にも、片付けやゴミの処分をしたいんだ… という気持ちを伝えてみてください。
③手助けする人がいる事
ゴミ屋敷化する傾向にある住人は、人に頼んではいけない(迷惑)と思い込みがちです。
ましてや、ゴミの処分を人にやってもらうなどと思いもしません。
実際に、ゴミの処分が辛くなり先延ばしにしているうちに、更に捨てられなくなる事はよくある事です。
手助けする人間が、いる事を分かってもらう事も、大事な一歩です。
生活に支障があれば、生活支援サービスを利用する事も可能です。
必ずしも、自分だけの力で何とかしなければならない訳ではなく、手助けする人は必ずいる事も分かってもらいましょう。
④1か所片付けて心地良さを
高齢者は、急激な環境の変化に順応しづらい面を持っています。
ゴミの片付けや部屋の整理を進める時には、一気に行うのではなく台所、居間、寝室などエリアを決めて1ヶ所ずつ片付ける事で、心地よさを徐々に体感してもらうのがおすすめです。
整理整頓が出来ていて、物が収納された綺麗な部屋よりも、高齢者には手が届きやすく一目で分かりやすい収納の部屋の方が、断然楽に暮らせます。
本格的なゴミ屋敷になる前に、1部屋毎に片付けていくと、暮らしやすさを親が身をもって感じてもらえるのが理想です。
⑤帰省や訪問で
掃除や片付けをしなくなってしまうのは、家に人が来なくなる事が原因の1つです。
誰も来ないから、少々散らかっていても構わない… となるのは、誰もが思い当たるのではないでしょうか?
その為にも、実家への帰省、知人宅への訪問を増やしてみてはいかがでしょうか?
また、介護保険サービスや見守りサービスを活用すると、日常的に人の訪問がある為、認知機能の低下も予防出来ると思います。
高齢者の孤独感を守る為にも、帰省や訪問を増やす検討を考えてみて下さい。
近隣の場合…
近所の住民でゴミ屋敷の傾向がある時には、どう対応したらよいでしょうか?
近隣の高齢者となると、親や知人のように気軽に助けられるとは限りません。
しかし、そのままにしておく訳にもいきません。
①苦情は…
②ゴミ屋敷条例
③声かけや挨拶
④専門業者に依頼
解説
①苦情は…
近隣住民がゴミ屋敷化していれば、自分の家にも健康被害や悪臭被害などが及んでいると考えられます。
そうなると、冷静に苦情を伝える事は難しいものです。
しかし、ケンカ腰になり苦情を言えば、更に逆鱗に触れる事で、トラブルを悪化させる可能性も高くなります。
逆上した近隣住民が、反発してどんな危害を与えるかもしれません。
できる限り、苦情は落ち着いて伝えるように努めましょう。
感情的な言い方になればなるほど、険悪なムードは強くなります。
②ゴミ屋敷条例
近隣住民の住まいのゴミ屋敷化で困っているなら、お住まいの各自治体にゴミ屋敷条例があるか問い合わせしてみて下さい。
近隣住民のゴミが公道にはみ出していれば、行政が対応する事もできます。
③声かけや挨拶
高齢者が孤独から少しでも守る為にも、近隣で声かけや挨拶を心がけるようにしましょう。
直接、ゴミ屋敷化を食い止める事に役立つ訳ではありませんが、声かけをする事で、孤独感を軽減できるようになる一助になります。
離れて暮らす親が、近隣の方から声かけをしてもらう事で、人づき合いがわずかでもできていれば、子供の自分自身にとっても嬉しい気持ちになると思います。
同じように、身近な高齢者に挨拶を交わす事なら、少し意識を変えるだけでも出来ると思います。
④専門業者に依頼
回収・片付け専門業者に依頼すれば、高齢者の汚部屋問題を、最短1日で解決できます。
ゴミの量が多くて、家族だけではどうしようも出来ない場合は、片付け専門業者への依頼を検討してみてはいかがでしょうか。
特に、床が全面ゴミで埋まっている場合は、ゴミが圧縮されているケースが多く、量も重さも見た目以上にある為、片付けが困難になります。
しかし、片付け専門業者のスタッフは経験が豊富ですし、数名で手分けして片付けを行う為、そういった汚部屋でも難なく片付けられると思いますが、料金は発生します。
汚部屋を片付ければ、汚部屋に住む高齢者の方も、怪我や病気、火事などのリスクから解放されます。
また、家族など周りの方も、常に頭の片隅にある、汚部屋をどうしよう… という悩みから解放されます。
高齢者の方にとっても周りの方にとっても、汚部屋を早く片付けるに越した事はないと思います。
思入れのある物は…
高齢者の方にとって、断捨離は終活の意味もあります。
業者を利用しての断捨離だとしても、それは同じ事です。
しかし、悲しく思えてしまう終活も、現在の技術を利用すれば、楽しい思い出を残しつつ、不要なモノを処分する事が出来ます。
例えば
高齢者の方が、大切に取っていたアルバムや雑貨は、デジタルデータに変換して保存することによって、次の世代まで残す事が可能です。
また最近では、長く使った着物や浴衣などを子供用に小さく作り直す事が出来ますし、古い家具もリメイクやリサイズして、新しい家具に変身させてあげる事もできます。
このように、ただ処分するだけでなく、今の技術を用いて、データに残したり、他の形にしたりする事で、暗くなりがちな生前の終活を未来志向の明るい終活へと言い換える事も出来ます。
前向きに片付け
高齢者の方にとって、自宅の片付けには、終活という意味も含まれます。
いつかは、自分がいなくなってしまう事も含めて、今ある荷物や将来不要になる品を処分してしまいたい… という方は、少なくないと思います。
ただ、何を捨てて、何を残すのかという部分は、業者では決められない為、高齢者の方の部屋や持ち家の片付けは非常に困難になります。
やはり最後の最後は、高齢者の方の意思が重要です。